社内通過制度とは
最近の福利厚生の1つに「社内通貨制度」というものがあり、今注目を集めています。
名前からおおよその予測ができるように、社内通貨制度とは、企業が自社向けに社内限定で使える通過を発行できる制度のことを言います。
その形態は企業によって様々で、一般的な紙幣のようなものから、システム上でやりとりされるものまで存在しています。
社内通貨の特徴は、本来の給与とは別扱いで付与され、企業が定める商品やサービスの購入時に使用できるといった利用方法が一般的のようです。
社内通貨制度の効果
日本でこの社内通貨制度が導入されたのは2005年頃と言われており、近年では利用しやすい環境になってきたこともあり、導入する企業が増加しています。
社内通貨制度の本来の目的として、社内でのコミュニケーションの活性化、および社員のモチベーションの向上を図る為と言われています。
各導入企業が個々にユニークな制度を設けている為、その効果は一様ではありません。
例えば、2008年にIT企業の株式会社じげんが導入した社内通貨「GAT」の導入事例では、感謝の気持ちを表す為のコミュニケーションツールを目的としています。
GATの活用方法は、月に1度、感謝の気持ちとして1人に手書きのメッセージと一緒に1000GATが贈与され、社員間で直接手渡しでやりとりを行います。
GATが貯まると、Amazonポイントや豪華景品に交換できるという制度です。
贈与されたGATは社内で掲示されますので、仕事をしていると見えにくい協力行動について周りが知ることができ、社員のモチベーションアップにも効果があったと言われています。
その他の導入事例では、ベンチャー企業の株式会社Wizの「Wizコイン」があります。
社内で「いいね!」に値する行動をした際にWizコインが贈与される仕組みです。
仕事だけではなく、挨拶や掃除等も評価対象となっているのが特徴的です。
業務以外の社員同士の行動の評価でもWizコインを互いに贈ることができますので、社員のモチベーション向上とコミュニケーションに大きな役割を果たしていると言えるでしょう。
社内通貨制度の利用方法
半導体切断装置の大手企業DISCOが導入した社内通貨「will」の利用方法とは、社内プレゼンテーションの賞金として贈られるwillを活用したオークションで、社内業務に関する受発注に利用できたり、半年ごとに換金することができます。
2016年に三菱UFJフィナンシャル・グループのカブドットコム証券が導入した社内通貨「OOIRI(オオイリ)」は、残業をしなかった日に10 OOIRLが贈られ、1日に1万歩以上歩いたら100 OOIRIが贈られ、他の社員に感謝の気持ちとしてOOIRIを贈ることもできます。
OOIRIは、カブドットコム証券の顧客にもリリースされるとのことで、社内通貨としてだけではなく、それ以上の制度の拡大が期待されています。